読谷村の自然
読谷村は、沖縄本島の特徴的な2つの地層が見られます。北東部は、ヤンバルに広く分布する名護層から成り、そこに形成されている土壌もまた同じ「国頭マージ」です。北西部から南部の大部分には琉球石灰岩が分布し、この地域には石灰岩の風化土壌であり、沖縄本島南部で広く見られる「島尻マージ」が形成されています。2つの土壌から成る読谷村では、豊かな生物相をみることができます。
読谷村は、沖縄本島の特徴的な2つの地層が見られます。北東部は、ヤンバルに広く分布する名護層から成り、そこに形成されている土壌もまた同じ「国頭マージ」です。北西部から南部の大部分には琉球石灰岩が分布し、この地域には石灰岩の風化土壌であり、沖縄本島南部で広く見られる「島尻マージ」が形成されています。2つの土壌から成る読谷村では、豊かな生物相をみることができます。
本ページで紹介する、昆虫の見られる場所は、嘉手納弾薬庫内を含んでいます。また、場所によっては道が狭い場所や足もとの悪い場所もありますので、ご自身判断で現地へ行かれる場合は、法令・マナーを守って頂くようお願い申し上げます。なお、現地にて生じたいかなる問題も当館では一切の責任を負いません。
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阿麻和利は、15世紀中ごろに勝連按司(あじ)として活躍し、「護佐丸・阿麻和利の変」を題材とした組踊では敵(かたき)役として有名です。阿麻和利のお墓は読谷村の楚辺という地域にあるといわれています。
座喜味城跡は護佐丸が築城主といわれています。護佐丸が座喜味城跡にいた期間はとても短かったようです。
クワガタムシ科
オスは発達した大きなアゴを持っていて、体色は茶色と黒色の2タイプがあります。6月下旬から7月中旬ごろがピークで、場所によっては一晩で100匹以上見つけることができます。
オスの大きさは個体差が大きく、小型のオスはアゴも小さくなります。大型のオスとの勝負を避けるため、小型のオスは大型のオスが活動する夜10~11時頃を避け、夜8時頃と明け方の4時頃に活発にになります。
【大きさ】メス25~36mm
オス30~70mm
【見られる時期】5~12月
【村内で見られる場所】シークヮーサーやゲッキツの木、林の近くの公園や民家の灯り
【しまくとぅば】ハサマ―、ウマバサン、ウシバサン
トンボ科
名前のとおり、細身のシオカラトンボです。雌雄で体色が著しく異なり、未熟のうちはともに黄褐色ですが、オスは成熟すると青白色になります。国内では、トカラ列島の中之島以南に分布し、八重山諸島ではふつうに見られますが、沖縄島・宮古島では数が少ないトンボです。国外では台湾、中国南部、フィリピン、東南アジアからインド、セイロンに分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約50mm
【見られる時期】4~11月
【村内で見られる場所】サシジャーガー北側のハイキビに覆われた湿地
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
トンボ科
腹部が平たく、幅広のトンボです。未成熟のうちはオス・メスともに黄かっ色ですが、成熟するとオスの腹部は赤く派手な色になります。また成熟したオスはなわばりをもち、ときどきその周りを飛び回ってパトロールします。九州、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島、小浜島、南北大東島に生息しており、国外では台湾、中国、タイなどに分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約40mm
【見られる時期】4~11月
【村内で見られる場所】サシジャーガーや垂川
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)、アッケージュ、ゲンジュ―
トンボ科
名前のとおり、額の部分が青く光っています。オスは腹部に青白い粉を帯びますが、メスの腹部はそれとは異なり、黄色と黒のトラ縞模様をしています。本種は東アジアに広く分布しており、国内では大東諸島に古くから生息していましたが、沖縄島には1977年に初めて記録されました。読谷村のサシジャーガーは沖縄島における数少ない生息地のひとつです。日差しの強い日は腹部をまっすぐ太陽に向けて伸ばし、体に太陽光が当たらないようにする「腹部挙上姿勢」というポーズをとります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約40mm
【見られる時期】4~10月
【村内で見られる場所】サシジャーガー
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
トンボ科
日本では、2番目に小さいトンボです。お腹の上部が太いので、この名前がついています。体色は黄褐色に黒班があり、オスは大人になると全体的に青色に変わります。水生植物が茂った池や湿地を好み、ヤゴは水深の浅い泥の中にもぐって生活します。国内では、奄美大島以南に、国外では、インドから東南アジア、中国、台湾に分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約27mm
【見られる時期】4~10月
【村内で見られる場所】サシジャーガー
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
トンボ科
沖縄でもっともふつうに見られるトンボのひとつで、大人になると、オスは体全体が赤色に、メスは黄褐色になります。沖縄ではこのオスを「アカトンボ」と呼ぶことがありますが、本土でアカトンボと呼ばれている種類は「アキアカネ」という別のトンボで、沖縄には住んでいません。
【大きさ】約42mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】沼地、湧水池
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)、アカアーケージュー、アカギンジュー
トンボ科
別名「オキナワチョウトンボ」。体は緑色で、金属光沢があり、ハネは黄色と褐色でべっこう模様のように見えます。琉球列島の沖縄島以南に分布しており、植物が茂った池で生活しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約40mm
【見られる時期】4~10月
【村内で見られる場所】サシジャーガーや垂川
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
トンボ科
体色は全体的に褐色で、体つきは細め、複眼が大きいため、「大目」のトンボと呼ばれています。本種は県内では、沖縄島、久米島、西表島、与那国島などに分布しています。国外では、台湾やフィリピン、東南アジア一帯、インドなど、広くに分布しています。成虫は、日中は薄暗い林の中で木の枝などに止まって休息していますが、夕方ごろになると飛び回る「黄昏飛行」という習性をもっています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約50mm
【見られる時期】5~10月
【村内で見られる場所】サシジャーガーや垂川
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
イトトンボ科
本種は、沖縄島を北限として、久米島、石垣島、与那国島、竹富島に生息し、国外では台湾やフィリピンに分布します。読谷村と恩納村の間の垂川がおそらく沖縄島での南限になっています。
流水性のトンボで、みず宇佐の多い流れの緩やかな川や湧水、用水路のほか、山林地の開けた渓流などでも見られます。
【大きさ】約43mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】垂川
【しまくとぅば】センスルー(イトトンボ)
モノサシトンボ科
奄美諸島と沖縄だけにすむ固有種。未成熟の個体は黄色味がありますが、オスは大人になると青色になります。稀にメスも青くなることがあります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】36~44mm
【見られる時期】3~11月
【村内で見られる場所】村北東部の嘉手名弾薬庫内の森林の河川沿いや長浜川上流部など
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
イトトンボ科
沖縄では、この色のイトトンボはこの種だけなので、見分けやすいです。沖縄以外でも、薩摩半島から台湾、香港、中国大陸南部までの範囲にすんでいます。産卵時にオスが直立してメスと連結しますが、これは産卵中のメスが敵に襲われないように警護する行動の一つと考えられています。
【大きさ】28~35mm
【見られる時期】4,5月と9,10月に多い
【村内で見られる場所】サシジャーガーなどの湧水池や比謝川などの河川沿い
【しまくとぅば】センスルー(イトトンボ)、オクサントンボグヮー
ヤマイトトンボ科
濃褐色の地に黄色の斑があり、オスは腹部の第9節背面に刺状突起があります。沖縄島と渡嘉敷島の固有種ですが、現在絶滅のおそれが高く、沖縄県版のレッドデータブックでは「準絶滅危惧種」に登録されている貴重種です。読谷村の長田川上流と、沖縄市北部の嶽山原は本種の生息域の南限となっています。これらの地域は本種以外にも主にヤンバルに生息する生物の飛び地的な生息地となっていることが多いです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】オス43mm、メス37mm
【見られる時期】3~7月
【村内で見られる場所】長田川上流
【しまくとぅば】センスルー(イトトンボ全般)
ヤンマ科
オオギンヤンマによく似ていますが、この種は額の部分にT字の紋があります。北は奄美諸島から南はニューギニアにかけて広く分布し、県内でも各地でよく見られます。ヤゴは池に生息しますが、成虫は水辺から離れた道路脇や農耕地でも餌を探しにいきます。オスはなわばりの占有性が強いので、メスに細い糸をつけてオスの近くで振り回すと、すぐにオスが飛びつくので、簡単に捕まえられます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約90mm【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】サシジャーガーなどの湧水池や比謝川などの河川沿い
【しまくとぅば】ターマー(ヤンマ類)(一般)、ギンターマー(喜名、渡具知、大木)、キンダーマ(親志)、ユーラーマ(座喜味)、ミーラーマー(座喜味、大湾、)、キーダーマー(伊良皆)、ミンタマー(座喜味)、ミーダマー(大湾、伊良皆、長浜)、ターマートンボ(古堅)、ミーダーマ―(上地)、ミーダマゲンジュ―(上地)、タマホーバー、キンターマー(都屋)
カワトンボ科
オスの体は金緑色で角度によっては青色に見えます。オスのハネの半分は青白色で、開閉すると青色にきらめいてたいへん美しいですが、メスはオスに比べると黒っぽく地味です。沖縄島と奄美大島、徳之島だけに分布しています。沖縄島ではヤンバルの川でふつうに見られ、読谷村では垂川で見ることができます。読谷村・沖縄市が本種の分布の南限となっています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約64mm
【見られる時期】2~12月
【村内で見られる場所】垂川
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
オニヤンマ科
メスのハネが黒い特殊なトンボで、体は黒色に黄色の縞があります。沖縄島だけに分布し、数が少なくなかなか見つけることができません。読谷村沖縄市あたりが南限となっています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約75mm
【見られる時期】4~8月
【村内で見られる場所】サシジャーガーや垂川
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
エゾトンボ科
複眼が緑色、胸が金緑色のきれいなトンボです。沖縄本島のみに生息し、ヤンバルから読谷村、沖縄市にかけての山間のきれいな川に住んでいます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約70mm
【見られる時期】3~8月
【村内で見られる場所】長田川など山間の水のきれいなところ
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
マダラチョウ科
白地に黒い紋がはいった、大型のチョウ。奄美諸島以南の琉球列島、台湾、フィリピン、東南アジアなどに分布しています。幼虫は黒色に赤い紋があり、背中に四対の突起がついています。また蛹は黄金色で金属光沢があり、とても美しいです。飼育もしやすく、庭にホウライカガミを植えておくと、金色の蛹を楽しむことができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約75mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫はアザミやセンダングサ
幼虫は海岸近くなど、キョウチクトウ科のホウライカガミが生えている場所
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)、アヤハーベールー
マダラチョウ科
薄い水色(あさぎ色)に黒褐色のすじは入っています。本種は国内では奄美以南に生息し、沖縄諸島や宮古・八重山諸島などでも見られます。国外では、台湾から東南アジアにかけて広く分布しています。成虫はいろいろな場所で見られますが、冬は北風が当たらないように谷間やくぼ地などの森林内で集団で越冬します。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】45~50mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は道路わきや海岸林
幼虫は海岸近くに生えるツルモウリンカにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
マダラチョウ科
黒地のチョウで、体と後翅にピンクの紋があります。オスはビロードのような光沢がありますが、メスは白っぽい色をしています。中国、朝鮮、日本、台湾に分布し、国内では本州以南で見られます。沖縄では1月下旬に羽化する、春を告げるチョウです。成虫はそのころに咲くカンヒザクラやダイコンの花の蜜を吸います。メスの前あしの先にはブラシ状の毛がついており、これで触ったもののにおいを確かめ、幼虫の食べる草かどうか確認して卵を産みます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約50~65mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は林の周り
幼虫はリュウキュウウマノスズクサとコウシュウウマノスズクサにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
マダラチョウ科
オスは前翅の先端が青紫色に光り、後翅は茶色です。メスは全体が茶色で前翅にわずかに青色があり、後翅に多数の白い帯状斑があります。インドから東南アジア、台湾に分布し、日本では迷チョウでしたが、1992年以降に沖縄諸島に定着したようです。本種のオスは、オオゴマダラの幼虫をなめまわす行動が観察されています。マダラチョウ科の成虫(特にオス)は植物からアルカロイド類を摂取し、これを防御物質や性フェロモンの原料として利用することが知られています。本種のオスはオオゴマダラの体表からアルカロイドを摂取していると考えられています。そしてなめられた幼虫はその後死んでしまいますが、なぜ死んでしまうのかはまだわかっていません。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約48mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は林の周辺
幼虫はガジュマル(クワ科)、リュウキュウテイカカズラ(キョウチクトウ科)につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ハネの表に目玉模様があるのが特徴です。裏の模様は、夏型は目玉模様、秋型は枯葉模様です。
九州南部から南西諸島、台湾、東南アジアに分布します。チョウは普通幼虫が食べる草に卵を産みますが、タテハモドキは、切り株や石などに卵を産み付けます。タテハチョウの幼虫が食べるイワダレソウのような小さな葉は、すぐに食いつくされてしまうので、幼虫はたくさん動き回って食草を探します。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約30mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は草原、農耕地など開けた明るい場所
幼虫はイワダレソウやスズメノトウガラシなど
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
小型のチョウで、黒字に白い3列のスジが入っているので、「ミスジ」チョウと呼ばれています。国内では奄美大島以南に、国外では、台湾、中国南部、東南アジアなどに分布しています。オスは一定空間を占有する習性があります。飛び方はゆるやかで、2~3回強く羽ばたいて、グライダーのようにしばらく滑空を続けます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約30mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】成虫は日当たりの良い林の周辺
幼虫はタイワンハギ、ジバハギ、ミソナオシ、イルカンダなどのマメ科につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ハネに「石垣」のような模様があり、イシガキチョウとも呼ばれます。ヒマラヤから中国、インドシナ、台湾、日本にかけて分布し、日本では三重県以西から琉球列島に生息しています。あまり羽ばたかず、滑空するように飛び、樹上の高いところにハネを広げて止まります。驚くと葉の裏にはりついて身を隠します。成虫はセンダングサなどの花の蜜を吸いますが、腐った果実や動物の死骸などから汁を吸うこともあります。オスは給水のため、湿った河原や道路上に集まります。数匹から時には数十匹の集団で吸水することがあります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約35mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】座喜味城跡周辺、伊良皆の国道58号東側の森林
幼虫はイヌビワやガジュマルなどを好む
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ツマグロヒョウモンは、オスとメスの模様に違いがあり、メスは前翅の先に黒色斑があります。メスの模様は毒チョウであるカバマダラなどに似ているため、これらに擬態していると考えられています。日本では、近畿以西から琉球列島に国外ではアフリカから東南アジア、オーストリアなどに広く分布しています。ヒョウモンチョウ類はもともと北方系で、温帯地方に多くの種類がいます。ツマグロヒョウモンは日本産のヒョウモンチョウの中では唯一の亜熱帯系の種です。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約36mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】成虫は草原や畑地、人家の庭
幼虫はリュウキュウコスミレやパンジーなどのスミレ類
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ハネを閉じていると褐色やだいだい色、白黒の模様が周りの色にとけ込んで保護色になりますが、ハネを広げると特にオスは前翅の黒色や後翅の青色が鮮やかで、二つの目玉模様が目立ちます。琉球列島、台湾、東南アジア、ニューギニアなどの他、アフリカの熱帯から亜熱帯など広い生息分布を持っています。県内では本体の土着分布は石垣島以南とされてきましたが、最近宮古島や沖縄島でもふつうに分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約25mm
【見られる時期】夏に多い
【村内で見られる場所】渡具知や楚辺、座喜味の農耕地や農道沿い、草原
幼虫はキツネノヒマゴ、キツネノマゴ、イワダレソウ、オオバコ
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ヒメアカタテハによく似ていますが、やや大きく、ヒメアカタテハが上面の色が薄いオレンジを帯びた褐色なのに対し、本種のほうは黒褐色の地色に赤褐色の大きな斑紋があります。また前翅の白斑も小さく、後翅の斑紋の模様は、本種のほうは黒い斑点が一列になります。日本、北アフリカ、ヨーロッパ、中央アジア、東アジアなどに広く分布しています。沖縄では成虫でも幼虫でも越冬します。成虫は熟した果実や樹液などに集まり、オスは日没後に地表面でなわばりをはり、侵入する他のチョウを追い払います。幼虫はイラクサ科の葉を自分の糸でつづり合わせた簡単な巣をこしらえ、その中で暮らします。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】24~27mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は林縁や農耕地の周辺、道路沿い
幼虫はのカラムシやオオイワガネなどイラクサ科の葉につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
ハネの上面に光沢のある青白色の大きな斑紋があります。インドから太平洋諸島まで東洋熱帯に広く分布し、台湾型やフィリピン型など、いくつかの亜種があります。メスは多くの斑紋タイプがあるので、斑紋から出身地が推定できます。しかし亜種間の交雑により、特徴がはっきりしない個体もあります。「リュウキュウ」という名がついていますが、沖縄には定着していません。この種は飛翔力が高く、南方から飛んできたものを沖縄で見ることができます。このようなものを、「迷チョウ」といいます。メスの迷チョウが産卵し、一時的に発生することもあります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】40~55mm
【見られる時期】冬期を除き周年
【村内で見られる場所】海岸林や林の畑の周り
幼虫はサツマイモやツルノゲイトウ、キダチハグルマなどにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
雌雄ともに後翅に2本のトゲのような突起があるので、「フタオ」という名前がつきました。翅は外側が黒っぽく、内側が白っぽくなっています。幼虫は全身緑色で、頭部に4つの突起をもち、最大70mmまで大きくなります。本種は国内では沖縄島だけに生息し、個体数が少ないことから沖縄県の天然記念物として保護され、沖縄版レッドデータブックの準絶滅危惧種にしてされています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス約50mmオス約43mm
【見られる時期】3~10月
【村内で見られる場所】親志の森林
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
タテハチョウ科
オスはハネの上面が黒褐色で、前翅と後翅の中央部に大きな白い紋があり、白紋の周り光の角度によって紫色に光ります。メスのハネはオレンジ色で周囲が黒く縁どられています。世界中に広く分布し、東南アジア、オーストラリア、アフリカ、南北アメリカで見られます。日本では八重山諸島に生息してますが、宮古島や沖縄島にも迷チョウとして飛来します。本種のメスは毒のあるマダラチョウ科のカバマダラに擬態しているといわれています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】30~45mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】畑や人家、荒地の周辺
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
アゲハチョウ科
上面から見ると、黒字の翅の外縁部に沿ってルリ色の帯がありますが、翅を閉じると茶色のまだら模様で、保護色として機能し、枯れ葉と見分けがつかなくなります。日本本土から東アジアや東南アジアなど広い範囲に生息しているチョウで、生息地域でいくつかの亜種に区分されています。
夏は薄暗い場所にいることが多く、幹部の樹液を吸汁しています。秋には熟した果実を吸汁していることがあります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約47mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】山地から平地まで広く分布
幼虫はサルトリイバラ類、サンキライ類につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
アゲハチョウ科
ハネは全体に黒色、キラキラした青や緑の粉を撒いたような模様があり、光の当たる角度によって、ハネの表の色が黒や緑、青色に変化します。
沖縄・奄美諸島の固有種で、ツツジやハイビスカスなどの赤い花を好むほか、オスは山道や河原の湿った地面におりて吸水します。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約60mm
【見られる時期】2~10月
【村内で見られる場所】林道や川沿い
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
アゲハチョウ科
国内では八重山諸島から奄美諸島に、国外では東南アジアを中心に広く分布しています。オスは上面から見ると黒色の後翅に白くて丸い斑が横一列に並んでいます。メスの模様には2タイプあり、オスと似た「Ⅰ型」と、毒のあるベニモンアゲハに似た「Ⅱ型」があります。Ⅱ型は後翅に赤い斑紋を持ち、翅全体の黒色も薄くなります。このように他の種類に似せることを「擬態」といい、毒チョウに化けることで、外敵から身を守っていると考えられています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約48mm
【見られる時期】2~12月
【村内で見られる場所】成虫は道路わきなど
幼虫はサルカケミカン、シークヮーサー、ハマセンダン
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
アゲハチョウ科
沖縄にすむアゲハチョウの中では最大の種。オスはハネ全体が黒色ですが、メスは黒地に大きな白斑があり、南にいくほど白い部分が大きくなっていきます。本種は近畿以南から琉球列島を経て、東南アジアまで広い範囲に分布していますが、近年では静岡県や神奈川県でも確認され、地球温暖化にともなう分布拡大であろうと考えられています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】90~110mm
【見られる時期】2~12月
【村内で見られる場所】屋敷周りや公園のブッソウゲやトックリキワタ、インパチェンスなど
幼虫はシークヮーサーなどのミカン科につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シジミチョウ科
オスのハネの上面はほぼ全体が深い紫色に輝く鱗粉でおおわれ、周囲が黒褐色で縁どられています。メスはオスより紫の部分が少なく、角度によってかなり明るい紫に見えます。ハネの下面は雌雄ともに薄い褐色に色の濃い斑紋が入っています。本種はヒマラヤやアッサム地方東部から中国南部、インドシナ半島などにかけての照葉樹林帯を中心に、マレー半島、東は台湾、日本まで分布する南方系のチョウです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】13~40mm
【見られる時期】春先
【村内で見られる場所】長浜川沿いや親志などの森林地域や河川沿い、マテバシイが植栽されているところ
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シジミチョウ科
シジミチョウ特有の白地に黒斑があり、触覚や足に白いリング状の模様が入っています。本種は本来東南アジアに分布するチョウで、県内では八重山諸島に古くから定着しています。その後次第に北上し、1971年に宮古諸島、1972年には沖縄島、そして1975年には奄美諸島まで分布を広げ、現在では九州でも観察されています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約12mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】幼虫の食草であるアカメガシワなどの多い海岸林や広葉樹林の多い林縁など
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シジミチョウ科
ハネの上面は薄い紫色をしています。もともとフィリピンからインドにかけて分布するチョウですが、次第に北方に分布を広げています。日本では1992年に初めて沖縄島で記録され、現在は各島でふつうに見られるようになりました。このチョウの幼虫はソテツの新芽や若葉を食べますが、ソテツは新芽をあまり出さない植物なので芽が出た株にこのチョウが集中し、枯らしてしまいます。
【大きさ】約14mm
【見られる時期】迷チョウ
【村内で見られる場所】海岸、公園、ホテル、公共施設の庭などのソテツにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
セセリチョウ科
黒褐色で、ビロードのような光沢があります。メスだけは、前翅に白斑が2個あるので、これで雌雄の区別がつきます。また、ハネを閉じたとき後翅に白い帯が確認でき、それで他のセセリチョウ科のチョウとも見分けることができます。本種は、日本では奄美以南の島々、国外ではインド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアに広く分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約25mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】海岸林、石灰岩地帯の林、人家周辺、幼虫はクロヨナの木につく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
セセリチョウ科
セセリチョウ科で最大の種で、日本では1971年、北谷町の謝刈で初めて発見されました。米軍基地の多い中部で見つかったことから、米軍物資に紛れてインドシナ半島から持ち込まれたと考えられます。成虫は夜明けや夕暮れに活動し、夜間灯火に来ることがあります。バナナ類の害虫で、幼虫はバナナの葉を巻いて大きな筒状の巣をつくり、葉を食べてすごします。近年では与論島、沖縄島、石垣島、与那国島などで分布を広げて帰化しています。本島で初めて発見されてから3年目でほぼ全域に広がり、「芭蕉布」で有名な大宜味村喜如嘉ではmその原料の糸芭蕉畑で大量発生し、問題になりました。外国から生物が持ち込まれると、大量発生したり、在来動物の生息に大きな影響を与えることがありますので、生物の移入は慎重にしたいものです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約37mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】農耕地周辺やバナナ畑
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
セセリチョウ科
地味な色彩ですが、後翅にある5個の黒点が特徴です。日本では奄美諸島以南の島に生息し、海外では、インド、東南アジア、中国、台湾に分布しています。もともと沖縄にはいませんでしたが、1973年に石垣島で、1975年に宮古島で、1978年に沖縄島で発見されました。1970年代に台湾などからヤシ類が大量に輸入されたことから持ち込まれたと考えられます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】16~23mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】ヤシが植栽された公園や校庭などの市街地で見られる
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
セセリチョウ科
茶色の地に大きな白い斑紋が目立ち、セセリチョウの中では識別が容易です。本種は琉球列島の中南部から、台湾、中国大陸を経てヒマラヤ、インド、アッサム、ビルマ、インドシナ半島などに広く分布しています。しかしながらフィリピンまでは到達しておらず、ヒマラヤ系のチョウとされています。クロセセリと同じように、幼虫は月桃の葉を二つにたたむように曲げて中に住んでいます。成虫は、花の蜜も利用しますが、鳥の糞に吸汁しにやってくることがあります。その時糞が乾いていると、自分の排泄物で柔らかくしてから吸汁することがあります。こうした行動は「吸いもどし行動」と呼ばれ、セセリチョウ科の一部に見られます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約2mm
【見られる時期】3~11月
【村内で見られる場所】うっそうとした薄暗い場所や林縁
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
ジャノメチョウ科
全体褐色で、目玉模様があり、裏側には白い帯があります。琉球列島の固有種で、奄美諸島、沖縄諸島、八重山諸島に分布しており、それぞれ亜種に分類されています。以前、琉球列島に生息するリュウキュウヒメジャノメは、日本本土や台湾、中国、東南アジアにいるヒメジャノメと同じ種だと考えられていました。しかし交配実験で琉球産と、本土産や台湾産などを掛け合わせても子孫ができないことが判明し、琉球産は別の種類に分けられました。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約24mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】山地、林の周辺
幼虫はススキやチガヤ、エダウチチヂミザサなどにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
ジャノメチョウ科
褐色で目立たないチョウです。夏型はハネを閉じたときの斑紋が波状で、目玉紋もはっきりしています。秋型は枯葉状で、目玉紋が不明瞭です。
アフリカ、東南アジアからオーストラリアまで広く分布し、日本では奄美諸島から八重山諸島、小笠原諸島で見られます。日中はあまり動かず、早朝と夕方の薄暗い時間に活動します。地上近くを活発に飛び、腐った果実や樹液に集まります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約38mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】集落や林の周り、夜の街灯
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
ジャノメチョウ科
翅の上面は暗褐色で、翅を閉じると白い帯とさざ波模様があります。沖縄諸島にすむ固有種で、沖縄島や渡嘉敷島、座間味島などに分布します。沖縄島では、中北部の山林に生息しており、読谷村では国道58号東側の森林で見られます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約22mm
【見られる時期】5~12月
【村内で見られる場所】成虫は川沿いや林に囲まれた小道の地表近く
幼虫はオオササガヤにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シロチョウ科
ハネの上面は白色、閉じると黄色です。オスは小さな黒点があるだけで、ほぼ全体が白色ですが、メスはハネの周囲が黒く縁どられています。
東南アジアに広く分布し、日本では奄美諸島から八重山諸島に分布しています。以前は八重山だけに生息していましたが、1970年代以降北へ分布を広げていて、1977年以降からは沖縄島でも連続して見られるようになりました。この種をはじめ、シロチョウ科のオスは集団で湿地に集まって吸水することが知られています。オスが吸水する理由はいくつか説がありますが、有力なのは、性成熟を促進するためにミネラルを取り入れることが必要という説です。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】30~36mm
【見られる時期】3~11月
【村内で見られる場所】山手の林の周辺
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シャクガ科
黒色のハネに黄色の帯、ハネの付け根と胸から柄にかけて青い金属光沢があるきれいなガです。
熱帯、亜熱帯に広く分布し、日本では奄美大島以南の南西諸島に生息しましたが、近年九州でも発生が確認されています。幼虫はシャクトリムシで、頭や体の側面がオレンジ色の派手な色彩をしています。チャーギ(イヌマキの木)の害虫で、時々大量発生し、幼虫が葉を食い荒らして木を枯らすことがあります。振動に敏感で、枝を揺らすと口から糸を吐いて垂れ下がります。また、チャーギには毒があり、幼虫はその毒を体内に溜めており、派手な色彩は捕食者に対する警告だと考えられています。
【大きさ】約30mm
【見られる時期】3~11月
【村内で見られる場所】成虫はセンダングサやチャーギ(イヌマキの木)の周り
幼虫はチャーギ(イヌマキの木)
【しまくとぅば】チャーギ虫
ヒトリモドキガ科
全身黄色の毒々しい色で、灰色の目玉模様があります。九州から南西諸島の島々に分布する南方系のガです。夜間に活発に活動し、よく灯りに飛んできたり、いろんな花の蜜を吸っています。夜に灯りに集まるガは、方言で「ヒーチャーガー(灯取蛾)」と呼びます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約30mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】昼間は林の中、夜は電灯に集まってくる
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ヒトリモドキガ科
体色は濃い黄色に胸部の背のあたりに黒い点、腹部に黒い環状の帯が連なっています。ハネは灰色がかった黒色で、その基部から中央にかけて白い斑紋があり、これが「シロスジ」という名前の由来になっています。国内では、九州から琉球列島に広く分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約30mm
【見られる時期】5~11月
【村内で見られる場所】親志などの森林や、森林地域に近い公園
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
マダラガ科
翅や頭・胸部、足が、見る方向によって緑から瑠璃色に変化する金属光沢を有する美しいガです。本種は、日本では琉球列島から本州中部まで、国外ではスリランカやインド、ネパール、ミャンマー、タイ、中国、台湾などにかけて広く分布しています。名前にオキナワとついていますが、沖縄の固有種ではありません。幼虫、成虫共に危険を感じると青酸系の毒物を含んだ液体を出す習性があり、要注意です。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】30~36mm
【見られる時期】5~11月
【村内で見られる場所】親志などの森林地域
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ヤガ科
2011年に糸満市から読谷村・うるま市まで、2016年に那覇市で大量発生した、ホウオウボクの葉を食べつくしてしまう害虫です。街路樹には農薬を散布できないので、食べ物をなくすために枝を切ることで対処します。虫が大量発生したとき、天敵はすぐには増えることはできなませんが、すぐに追いつくように増えてバランスがもどっていきます。以前本種が大量発生したときも、幼虫を食べるクチブトカメムシが増え大量発生を終了させたことがありました。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス14~20mm 、オス17~20mm
【見られる時期】周年、特に10~11月
【村内で見られる場所】幼虫がホウオウボクにつく
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ヤガ科
ハネを広げた状態だと100mmにもなる大型のガで、模様は外縁がギザギザ状で、暗褐色の地色に白色の横線と大きな目玉模様があります。本種は国内では北海道から琉球列島まで、国外では台湾、中国、ボルネオ、インドネシア、マレーシア、インド、ミャンマーなど広い範囲に分布しています。成虫は灯火によく誘引され、森林内でも夜間に歩くと懐中電灯に引き寄せられてきます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】46~49mm
【見られる時期】4~11月
【村内で見られる場所】親志の森林地域など
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ヤガ科
成虫は黒褐色で、なかなか見つけることができませんが、幼虫はカラムシという植物(方言名はウーベー)でよく見られます。北海道から沖縄まで日本全土に分布しています。幼虫は大きいと8センチほどにもなり、食欲も旺盛になりますが、大量発生しているときでも食草のカラムシの新芽は食べられることがありません。芽だけを与えて食べさせていると、幼虫の成長が極端に悪くなることが実験でわかっています。カラムシの芽にはフクラスズメの幼虫の発育を阻害する化学物質が多く含まれているようです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】33~39mm
【見られる時期】5~11月
【村内で見られる場所】平地、山地
幼虫はカラムシ(ウーベー)につく
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
スズメガ科
翅が緑から灰色のきれいな模様のガです。アフリカからインドを経て東南アジアに分布し、アフリカでは毎年ヨーロッパまで渡りをすることで知られています。日本には1966年に迷蛾として確認され、1974年には定着し、現在は沖縄島、宮古島、阿嘉島に分布しています。キョウチクトウは人間や家畜に対しても致死量が青酸カリよりも微量で、注意が必要ですが、この虫は幼虫のときからこの木の葉を食べて毒を蓄えています。自らが有毒であることを示すための警戒色として、幼虫には大きくて目立つ目玉模様があります。
(撮影:砂川博秋)
【大きさ】約40mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】キョウチクトウ、ニチニチソウにつく
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ツトガ科
サツマイモノメイガは、熱帯・亜熱帯のサツマイモの害虫で、もともと日本にはいませんでしたが、1945年に台湾から波照間島に持ち込まれイモについてきて、それから20年足らずで奄美諸島まで北上してきました。ガの幼虫は葉を食べるイメージがありますが、この幼虫は茎の中に入り込み、茎を食べて成長します。食害を受けたイモの茎は触れただけで折れてしまうほど弱くなります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】12~15mm
【見られる時期】
【村内で見られる場所】
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
ドクガ科
幼虫がよくガジュマルの木についている毒のあるガです。分布域は沖縄から台湾、インドにかけてですが、年々北に向けて広がっており、触るとかぶれるので、注意が必要な虫です。幼虫はたくさん見かけますが、それに比べて成虫は大量発生している様子はありません。幼虫や蛹には、寄生蜂がついていることが多く、成虫になる前に死んでしまいます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】33~45mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】成虫は夜間灯りに集まる
成虫はガジュマルの木につく
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
イナゴ科
成虫は、体色が淡い褐色で黄斑があり、後翅が飛び立つときにピンク色が目立ちます。縞模様の複眼があり、その下には暗褐色の縦線があり、涙を流しているように見えます。日本ではトカラ列島以南の琉球列島・大東諸島に分布し、国外では中国、台湾、フィリピン、ボルネオ、インド、オーストラリアに分布しています。沖縄ではサトウキビの害虫として知られ、特に干ばつのときに大発生し、サトウキビの葉を食い荒らします。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】オス60~65mm、メス75~85mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】ネピアグラス、ススキ、サトウキビ、アダンにつく
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
イナゴ科
淡い褐色に黄斑はあり、全身に細かい毛が生えています。複眼の下に黒の縦模様があって、黒い涙を流しているように見えます。飛ぶとピンクの後翅が目立ちます。サトウキビの害虫のタイワンツチイナゴによく似ていますが、ツチイナゴは眼の下の縞模様が不明瞭なこと、体に細かい毛が生えていることなどで区別できます。国内では、本州から南西諸島、国外では中国、台湾朝鮮半島、インドに分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス約70mm、オス約60mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】国道58号の麩菓子側の林や、畑周辺の草地
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
イナゴ科
紅褐色の複眼と、その後方から前胸背にかけて黒い帯があるほかは全身黄緑色で、イネ科の植物に似た保護色になっています。琉球列島の沖縄島以南にすみますが、イナゴ類は形態的に似たものが多く、判別が難しくなります。本種は他の種よりも体側の黒い帯が濃く、体が小さいことで識別されます。
【大きさ】メス21~31mm、オス18~22mm
【見られる時期】8~12月
【村内で見られる場所】畑、水田、その周辺のやや乾いたチガヤやハエキビなどの草原
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
バッタ科
後脚のスネが赤色のバッタで、体に細かい毛が密に生えています。体全体は褐色で、胸部の両側にある斜めに走る白い帯が特徴です。複眼に数本の縦縞がありますが、死ぬと消えてしまいます。
本種は動作が鈍いので、近くまで寄ることができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス42~72mm
オス34~38mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】民家の生垣など、低い木が生えた生垣
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
バッタ科
成虫は緑色で 体の両側面に茶色の帯があります。コイナゴによく似ていますが、本種はコイナゴに比べて茶色の帯の輪郭が鮮明です。ミズイモの葉に大量発生して、食い尽くしてしまう害虫です。しかし特定の葉にたくさん集まってかじっているのに、隣の葉には全くついていないことがあり、なぜ集団で同じ葉に集まるのかはわかっていません。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス約35mm、オス21~25mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】ミズイモがある水田や湿地
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
バッタ科
オキナワモリバッタは、形態的な違いにより琉球列島内で5つの亜種に分けられています。沖縄島産は全体的に茶褐色がかり、枯れ木の上などで保護色になります。触覚はまっすぐ直線状で、先端が白っぽいのが本亜種の特徴です。ハネは小さく退化し、移動はもっぱら太い後脚を使ったジャンプです。森林環境に適用した結果、保護色を身につけ、遠くまで飛ぶ必要がないためハネは退化しました。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス25~30mm、オス約45mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】民家周辺の御嶽林や親志、牧原、伊良皆などの森林地域
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
マツムシ科
体色は淡い褐色(枯草色)で、背面に小さな黒い斑点があります。沖縄島、伊平屋島、渡嘉敷島、久米島、伊良部島、石垣島、与那国島、台湾に分布し、本土には別亜種のマツムシがいます。オスが7~11月にピ、ピ、ピリリリンと鳴きます(本土のマツムシより長く連続して鳴く)。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】15~20mm
【見られる時期】9~12月
【村内で見られる場所】畑地や道路沿いの乾いた草原
【しまくとぅば】セ―、セーグヮー、シェー(バッタ全般)
カネタタキ科
体が鱗上の毛におおわれていて、褐色であまり目立たない虫です。日本では、本州から南西諸島、国外では台湾や東南アジアに広く分布しています。夜、植え込みや生垣からチン・チン・チンと鳴く声の主はこの虫です。しかし樹上性で、声は聞くことができても、姿を見ることはなかなかできません。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】10~15mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】海岸の低木、林周り、サツマイモ畑
【しまくとぅば】
カマドウマ科
全身褐色で、体は太くて短く、横からみると背中全体が丸みをおび、アーチ型の体型をしています。成虫でもハネがありませんが、後脚が特に発達しており、移動は主にこれを使ったジャンプ力に頼っています。夜行性で、夜間は広いところを出歩いて餌を探します。雑食性ですが、動物質を好み、小さな昆虫やその死骸を食べ、共食いもします。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス12~23mm、オス18~21.5mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】洞穴、木のウロ、朽ちた木の下、人家周辺などの、暗くて雨の当たらないところ
【しまくとぅば】
セミ科
比較的大きいセミで、ハネ全体が茶褐色でまだら模様をしています。セミの多くは透明のハネを持っていますが、アブラゼミは世界でも珍しい前後とも不透明のハネを持っています。琉球列島固有種で、沖縄諸島と奄美諸島のみに生息しています。「じりじりじりじりじーーーー」という鳴き声が、鍋の底にこびりついている汚れを落とす音に似ているので、方言で「ナービカチカチ―」などと呼ばれています。本土では、鳴き声が揚げ物をするときの油の音に聞こえることから、「アブラゼミ」と呼ばれています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】36~43mm
【見られる時期】6~10月
【村内で見られる場所】市街地の緑地公園から低山地の森林地域
【しまくとぅば】ナービカチカチー(村内ほとんど)、ナービカチュー(大湾、渡慶次、)、ナービギチギチー(座喜味)、ナービ―(波平)、ナービカッチャイ(都屋)、ナービカチュカチュー(儀間、瀬名波、楚辺、渡具知、比謝、長田)、ナービカチュルー(大湾、比謝、古堅)
セミ科
九州南部から沖縄諸島にかけて分布し、島ごとに鳴き方がすこしずつ違い、「方言」があることが知られています。もともと沖縄島で個体数の多いセミでしたが、近年本島中南部でその数が激減していますが、その理由はわかっていません。
【大きさ】23~37mm
【見られる時期】8~11月
【村内で見られる場所】平地、市街地の公園やその周辺の林
【しまくとぅば】ジーワ、ウーワァ、クーワクーワ、ンーナンーナ、ジーワジーワ、ギージャーグヮー、ジージーグヮー、
セミ科
沖縄のセミの中でもっとも大きく、黒くて光沢があります。関東地方から南の広い地域に分布し、沖縄でも身近な昆虫のひとつです。センダンやホルトノキが好きで、一本の木に何十匹もとまっていることがあります。オスはワシャワシャワシャと大きな声で鳴き、捕まえるとギャーと叫ぶように大きな声を出します。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約50mm
【見られる時期】6~8月
【村内で見られる場所】住宅地や周辺の林、公園など
【しまくとぅば】サンサナー(村内ほとんど)・シラギサンサナー(渡慶次)・アササ―(楚辺)
セミ科
このセミは、日本産のツクツクボウシの中で最大で、同じ仲間でこの時期に鳴くクロイワツクツクによく似ていますが、オスは体の青緑色の縞模様がより鮮やかで、腹弁も大きく、その先端が外側に向くのが特徴です。オオシマゼミは、奄美大島、徳之島、沖縄島、慶良間諸島久米島に分布する、琉球列島の固有種です。沖縄島では、ヤンバルから中部の山々にかけて生息し、沖縄市知花、読谷あたりが南限です。最盛期は9~10月ですが、12月まで見ることができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】32~41mm
【見られる時期】6~12月
【村内で見られる場所】座喜味城跡周辺、親志などの森林地域
【しまくとぅば】
アメンボ科
沖縄でふつうに見られるコセアカアメンボは、全体が濃い褐色で、背中が赤みを帯びています。中あしし後あしの先端から油を出して水をはじくため、水の中に沈むことはありません。アメンボは肉食で、水面に落ちた虫がもがくときにできる波を素早く感じとり、捕まえて体液を吸います。足の先についている感覚器と呼ばれる毛で、落ちたものが虫か、木の葉などそれ以外のものかを感じ分けることもできるようです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】10.5~14mm
【見られる時期】冬以外
【村内で見られる場所】山間の林に囲まれたうす暗い川や池
【しまくとぅば】トントンミー(波平、都屋)、カーカマロ―(座喜味、大湾、比謝)、トゥヌジャー(上地)、アーメーバー(高志保、渡慶次)、アメンバ(喜名)、タージョージョー(儀間)、アーメーバー(宇座)、イチカマドー(瀬名波)、カーラマカラー(長浜)、アメージャー(楚辺)、アメンバ―(渡具知)、アーミンボー(比謝)、カーガニモー(長田)、アメンボ―(大木、比謝矼)、ターガニモ―(長田)
マツモムシ科
池・沼にすむ水生昆虫で、背中に赤に黒の点模様があり、マツムシの中の大型美麗種とよばれる種類です。しかし水面で泳いでいるときは背を下にしているのでこの模様は見えず、見つけにくい虫です。肉食で、素手でつかむと鋭い口で刺されることがあり、とても痛いそうです。人気を察知すると素早く水に潜り水の中の植物につかまり、数時間潜っていることもできます。本種は日本では沖縄島だけに生息していますが、数が少なく生息場所も減少しているので、絶滅が心配されています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約15mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】長田川上流
【しまくとぅば】
ホシカメムシ科
背中に白いX字型の派手な模様がある美しいカメムシです。ズグロシロジュウジカメムシにも似ていますが、こちらは頭が黒色であることで区別できます。国内では九州から琉球列島に、国外では台湾や中国、フィリピン、マリアナ諸島などに広く分布しています。アオイ科の植物を好み、冬はオオハマボウの葉の裏で集団で越冬することがあります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約15mm
【見られる時期】5~2月
【村内で見られる場所】宇座や渡慶次などの海岸林
【しまくとぅば】フー(カメムシ全般、緑のカメムシ)
キンカメムシ科
体色は金属光沢のある美しい青緑色で、日本でもっとも美しいカメムシとされています。この種は腹部の背面にある小楯板という部分が発達しており、ハネのように腹部背面全体を覆っています。ここに3対と、真ん中に1つに黒色斑があり、これが「ナナホシ」の名前の由来となっています。(胸部にも4つの斑があります)本種は、国内では沖縄島以南に分布し南大東島や石垣島、西表島にも生息してます。7月頃にもっとも数が増え、林内に生息してオオバギやカンコノキ類、タイワンツルグミなどの葉の裏に10体ほど群生しているのを見つけることができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】18~20mm
【見られる時期】5~12月
【村内で見られる場所】親志の広葉樹林や、集落近くの御嶽林
【しまくとぅば】
ヘリカメムシ科
体色は全体が黒色で、下面には多数の橙色の帯があり、側角は鋭くとがっています。また後脚も特徴的に長大で、板状に広がっており、「アシビロ」という名前の由来になっています。国内では、奄美大島以南の南西諸島、国外ではアフリカ、東南アジア、北部オーストラリア、太平洋諸島など世界の熱帯地域に広く分布しています。
ニガウリ、ヘチマなどが好きで、果実がきれいに育たなくなるなどの被害を出す害虫です。
【大きさ】17~25mm
【見られる時期】5~6月、8~9月、10~11月
【村内で見られる場所】ニガウリやヘチマなどを露地栽培している畑など
【しまくとぅば】
ミズスマシ科
ミズスマシは、水たまりや池、川にすむ小型の水生甲虫です。水面での生活にとても適応した体の造りをしています。下面は平たくて水に浮きやくす、前脚以外は舟をこぐ櫂のような形になっています。本種はミズスマシの中で日本最大で、徳之島以南の島々に分布しています。昼はほとんど餌を探して水面を休みなく泳いでいますが、敵を察知すると水面に潜ったり、飛ぶこともできます。幼虫のときは腹にエラがあり、水中で呼吸することができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】15~20mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】長田川上流
【しまくとぅば】ミジガーミー
ハムシ科
頭と前翅は濃い水色で光沢があり、体の下面は黄褐色です。胸は黄色で、一列に並んだ黒い点が4つあります。奄美から沖縄に分布し、住宅地でもよく見られる身近な虫です。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約8mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】ガジュマル、イヌビワ、ハマイヌビワ、オオイタビなど、イチジクの仲間の植物につく
【しまくとぅば】
ハムシ科
ハネが黒いハムシで、クロウリハムシと似ていますが、本種は足が黄色で、クロウリハムシは足が黒色です。ウリ科の植物は、虫に食べられないようにククルビタシンという苦い防御物質を体に蓄えていますが、ハムシにとってはこの物質が接触刺激になります。しかしヒメクロウリハムシが好むヘチマには、この物質は含まれていません。ウリハムシは種類によってそれぞれ好みのウリがあり、それらはククルビタシン類だけではなく、他の化学成分や葉の表面の毛の具合などによって変わるようです。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約6mm
【見られる時期】4~11月
【村内で見られる場所】ヘチマにつく
【しまくとぅば】クルマヤ―
コガネムシ科
本種は、沖縄島や久米島に生息する個体と、奄美諸島に生息する個体が亜種で分かれています。沖縄島の亜種は赤褐色の地色に黒と黄色の斑紋を持つきれいな甲虫です。奄美諸島の亜種は黒地に黄色の斑紋です。早春のイタジイの花が咲く時期に山地の林に出現するので、沖縄では春を告げる昆虫のひとつとなっています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】10~14mm
【見られる時期】3~5月
【村内で見られる場所】親志のイタジイの林など
【しまくとぅば】
コガネムシ科
全身金属光沢のある暗緑色のコガネムシです。九州南部から琉球列島各地に分布し、地域ごとに色や斑紋に変異が見られ、それぞれが亜種として区分されています。花や果実、樹液に集まる習性があり、パインやバンシルーなどの熟した果実、ランタナやパパイヤ、カボチャなどにもよく訪花します。花の蜜や花粉を食べている姿が、花にもぐっているように見えることから、この名がついています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】16~28mm
【見られる時期】5~10月
【村内で見られる場所】海岸林、農耕地周辺、山地近くの森林地域など
【しまくとぅば】カニブーブー、カーニーベンサー(古堅)、カニベンサー(座喜味)、カナベー
コガネムシ科
背中が緑色、腹面は茶色のコガネムシで、本州から琉球列島に分布します。捕まえたとき、腹端から黒くて臭い汁を出すため、沖縄の方言で「クスブン」、「クースベンサー」と呼ばれています。成虫はいろいろな植物の葉を食べ、幼虫は地中で植物の根を食べて育ちます。秋、収穫前のサトウキビが畑一面枯れてしまうことがあります。これはコガネムシ類の幼虫が根を食べてしまうためで、一番大きい被害をもたらすのが本種です。土壌害虫の防除は難しく、農薬も大量に必要になるため、沖縄県では、フェロモンを利用した環境にやさしい防除技術の研究を進めています。
【大きさ】約20mm
【見られる時期】5~8月
【村内で見られる場所】畑や、夜間の電灯など
【しまくとぅば】クスベンサー
クワガタムシ科
本種は日本産ネブトクワガタの中では最も小さいクワガタです。表皮は薄く、透けて見えるという特徴があります。他のクワガタムシは広葉樹林を好みますが、本種はリュウキュウマツやイタジイの湿った朽木がフレーク質になったところによく産卵します。浦添市以南では見つかっておらず、石灰岩地に生育する植物が本種の生息に向かないのではないかと考えられています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス8~11mm、オス9~14mm
【見られる時期】6~10月
【村内で見られる場所】リュウキュウマツ林やソウシジュの木のあるところや森林が近い公園の街灯等
【しまくとぅば】ハサマ―、ンマバサン
ハンミョウ科
成虫の胸部や上翅は金属光沢のある青緑色のほかに、赤褐色や白色の斑点などがあり、きれいな模様をしています。本土に産するナミハンミョウに比べると、沖縄産は前胸部が細く、金属光沢が強いのが特徴です。和名は「斑猫」と書き、地面を機敏に歩き回りながらその大きな顎で他の昆虫などを捕まえて食べる肉食性の昆虫です。ハンミョウ類は別名「道おしえ」といい、人が近づくと道伝いにその先へ先へと逃げていくことから、道案内をしているように見えます。
【大きさ】約20mm
【見られる時期】4~12月
【村内で見られる場所】伊良皆や親志などの森林地域の林道や農道わきなどの開けた場所
【しまくとぅば】ミチキギヤー(読谷)、カンジェーベー(古堅)、カーラヤーヌタンメーグヮー(楚辺)
ミツギリゾウムシ科
アリのような体つきで、胸は黄色、ハネは青、または緑がかった色をしています。サツマイモに大きな被害をだす害虫で、日本では南西諸島と小笠原諸島だけに生息しており、沖縄には明治時代に侵入したようです。幼虫がイモの中を食い荒らし、被害を受けたイモは独特の臭気と苦味があり、食用にできません。本土に持ち込まれると、サツマイモに大きな被害が出ることが予想されるため、法律でこの虫の移動を禁止しています。そのため読谷産の紅イモも生のまま本土に出荷することはできません。この虫の根絶のため、放射線をあて不妊にしたものを野外に放して、根絶を目指す「不妊虫放飼法」が用いられています。久米島では、この方法で2013年に根絶が成功しました。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約7mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】サツマイモにつく
【しまくとぅば】イリムサー、イリムシ、ニージャームシ
ゾウムシ科
奄美諸島以南の琉球列島に分布しています。一般に昆虫の色や模様は、外骨格にそのまま出てきますが、本種の白っぽく見える色や模様は、体についている白い粉によって描かれています。そのため長生きの成虫では、白い粉の一部がはがれて白っぽくなっていることがあります。この虫のいる木の枝に触れたり、振動させたりすると、危険を感じて、あしを縮めて枝から落下し、死んだように固まってします「擬死」という行動をとる習性があります。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】13~15mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】屋敷周り、農耕地、森林部の道路沿いのシマグワの木立や葉の上
【しまくとぅば】ユーナギーマヤ―グヮー、ユーナギーパッパー
ゾウムシ科
体全体に短いトゲ状の毛に覆われています。太平洋戦争前後に、マリアナあるいはハワイから持ち込まれたようで、南西諸島と小笠原諸島に分布しています。最初に勝連町で発見され、数年もたたないうちに沖縄県全域に広がりました。当時重要な食糧であったサツマイモの各島への移動とともに広がったようです。アリモドキゾウムシ同様サツマイモの害虫で、この害を受けたイモは菓子やパンの加工用にも使えません。現在根絶にむけた事業が進んでいますが、イモゾウムシはまだ基本的な生態がわかっていません。また、飛翔能力がなく、不妊虫を放しても広がりにくいこと、不妊虫を増やすための飼育が難しいことなどから、今のところ根絶の見通しがたっていません。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約4mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】サツマイモにつく
【しまくとぅば】イリムサー、イリムシ、ニージャームシ
オサゾウムシ科
ゾウムシは漢字で象鼻虫と書き、象のように長い鼻があるように見えますが、この部分は実は口です。本種は全体が褐色で背中に4つの黒い紋があるので「ヨツメ」という名がついています。本種の成虫はショウガの仲間やゲットウの葉を食べ、幼虫は茎のの中を食べボロボロにしてしまうので害虫とされています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約10mm
【見られる時期】6~11月
【村内で見られる場所】山地や平地の林周辺
【しまくとぅば】
クワガタムシ科
全身黒色で、オスは大きな顎を持っています。昼間は木の皮の下などに隠れていますが、夜になると活発に活動します。タブノキやアカメガシワ、シークヮーサーなどの樹液が好きです。幼虫は朽ちた倒木や切り株などで2年かけて育ちます。ヒラタクワガタの成虫は長生きで、通常1年くらい、飼育下では2年以上も生きることがあります。沖縄県はヒラタクワガタの亜種が3種いて、本島周辺に本亜種、八重山にサキシマヒラタクワガタ、南北大東島にダイトウヒラタクワガタがそれぞれ分布しています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス25~40mm、オス30~70mm
【見られる時期】4~12月
【村内で見られる場所】林に近い公園や人家周辺
【しまくとぅば】ハサマ―、ンマバサン
ミズスマシ科
ミズスマシは、水たまりや池、川にすむ小型の水生甲虫です。水面での生活にとても適応した体の造りをしています。下面は平たくて水に浮きやくす、前脚以外は舟をこぐ櫂のような形になっています。本種はミズスマシの中で日本最大で、徳之島以南の島々に分布しています。
昼はほとんど餌を探して水面を休みなく泳いでいますが、敵を察知すると水面に潜ったり、飛ぶこともできます。幼虫のときは腹にエラがあり、水中で呼吸することができます。
【大きさ】15~20mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】長田川上流
【しまくとぅば】ミジガーミー
スズメバチ科
褐色の体に黄色紋がある小型のアシナガバチです。沖縄諸島、宮古諸島、先島諸島、台湾、東南アジアなどに分布しています。巣は春先の3月頃から作りはじめ、メスが1匹で作る場合と、複数のメスが創設する場合があります。5~8月にかけて働きバチが羽化し、最大で100匹程度になります。このように巣を中心とした集団を作り、女王バチを頂点とした階層があるような社会的構造を備える昆虫を「社会性昆虫」と呼んでいます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】9~10mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】海岸近くのススキ原、チガヤの草原、アダンが生える場所
【しまくとぅば】ガヤバチ、ヌカバチャー、カーニーバチャー(大湾)
コシブトハナバチ科
体は黒い毛でおおわれ、ハネは青い光沢がある、ずんぐりした体形のハチです。琉球列島には3種のクマバチがいます。クマバチの飛翔能力は、海を越え移動することができますが、これら3種の分布は不思議と交わることがありません。
ブーンと大きい音をたてる大きいハチですが、攻撃的ではなく、針は持っていますがほぼ刺されることはありません。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約20mm
【見られる時期】4~10月
【村内で見られる場所】山地から人家周辺、海岸近く
【しまくとぅば】ハチャー(ハチ全般)
ミツバチ科
ヨーロッパ産のミツバチで、日本には明治時代に蜂蜜やローヤルゼリーなどをとるために導入されました。また、イチゴなどの花粉媒介などにも使われます。ミツバチの巣には1匹の女王バチと、約2万匹の働きバチ、一割程度以下のオスのハチはいます。女王バチは多い時で1日に1500から2000個の卵を産みます。働きバチはすべてメスで、花蜜や花粉を集め幼虫を育て、巣の補修、巣の温度管理などの仕事をします。オスのハチは何もせずぶらぶらしています。
女王バチの寿命は約4年で、生涯に100万匹の子どもをつくることができます。新女王が生まれる前に、旧女王は多数の働きバチを連れて古巣を出て別の場所に巣を作ります。これを分封、または分蜂といいます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】12~13mm
【見られる時期】2~12月
【村内で見られる場所】
【しまくとぅば】ハチャー(ハチ全般)
ツノトンボ科
黒い体に黄色い斑点があり、チョウの触覚に似た長くて先端が丸い触覚を持っています。名前に「トンボ」とついていますが、トンボではなく、ウスバカゲロウの仲間です。沖縄の固有種で、沖縄島から八重山諸島にかけて生息しています。
独特の臭気があり、捕まえると手に嫌なにおいがつきます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約30mm
【見られる時期】5~8月
【村内で見られる場所】畑の周りの草むら
【しまくとぅば】
オガサワラゴキブリ科
ゴキブリというと、家の中に出没する嫌な害虫というイメージがありますが、世界中にゴキブリは約3,700種いて、家の中で見られるのは実がそのごく一部で、残りは本種のように主に森林で見られます。このような森林のゴキブリは、自然界では落ち葉や動物の死骸を分解する「土壌動物」として食物連鎖の重要な役割を担っています。本種は全世界の亜熱帯に広く分布しており、国内では九州の薩摩半島以南の南西諸島や伊豆鳥島、小笠原諸島などに分布しています。
【大きさ】メス約17mm
オス約15mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】落ち葉や石、倒木の下
【しまくとぅば】ヒーラー
カマキリ科
腹が幅広く、体色は緑色または褐色、前翅に白い紋がある、大型のカマキリです。カマキリのメスは交尾中にオスを食べてしまうことがあるので、オスは食べられないように止まったりゆっくり進んだりしてメスに近づきます。無事食べられずにすむオスもいますが、頭から食べられてしまうものもいます。しかし頭を食べられてしまっても、オスは交尾を続けることができます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】60~70mm
【見られる時期】4~12月
【村内で見られる場所】低木上
【しまくとぅば】マーミーイサトゥー(読谷)、マーミーサートゥー(座喜味、長浜)、イサトゥーメー(古堅、座喜味、伊良皆、親志、都屋、高志保、渡具知、比謝、大湾、牧原、古堅、比謝矼)、イサトゥー(喜名、親志座喜味、都屋、高志保、渡具知、大湾、牧原、長田、古堅、大木、比謝矼)
ハナアブ科
大型のハチアブで、丸っこい体に黄色と黒のストライプがあり、ブーンと羽音をたて、花によく来るのでハチに間違われることがありますが、もちろん毒針はないので、刺すことはありません。幼虫は水生で、植物や昆虫の死骸などを食べます。家畜小屋から出てくるような汚水にも幼虫は平気で住めるようです。ハナアブは名前に「アブ」とついていますが、人や家畜を刺したりすることはありません。毒針をもっているハチに似せることで捕食者を遠ざけるための擬態をしています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約15mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】草地や畑、林のまわり
【しまくとぅば】
コブナナフシ科
他のナナフシのイメージと違い、本種はずんぐりごつごつしていて、頭にトサカのようなコブがあります。体色は灰褐色から黒褐色で、ハネはありません。日本では、九州南部から奄美・沖縄島に分布しています。日中はほとんど動かず、夜間に活動し、オオイタビやイヌビワなど、いろいろな植物の葉を食べます。メスは卵をポロポロと一個ずつ産み落とします。卵はほぼ球形で、全体が細かい毛に覆われており、先端は釣り針上のフックの形になっています。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス45~50mm、オス35~40mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】林周辺
【しまくとぅば】ソーローブーチー、ソーローゥンマ(座喜味、大湾、古堅)
テントウムシ科
赤色に7つの黒い紋があり、丸くてかわいい虫ですが、肉食で、アブラムシをむしゃむしゃ食べる獰猛な虫です。成虫は1日に20匹以上のアブラムシを食べます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約8mm
【見られる時期】秋から春
【村内で見られる場所】草地や畑
【しまくとぅば】カーミーグヮー
ハムシ科
背面が光沢のある赤褐色で、よく目立ちます。名前のとおりウリ科の植物につきますが、ニガウリ、ヘチマはあまり好きではないようです。成虫は、葉、花、果実を円形にかじり取って食べます。一方幼虫は土の中にすみ、根を食べます。
【大きさ】約7mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】キュウリやカボチャ畑周辺
【しまくとぅば】アカマヤー、
コオロギ科
大型のコオロギで、「エンマ」という名前は、顔を正面から見ると閻魔大王を隈取りしたような黄褐色のまゆげ状の模様が見えることに由来しています。
本種は国内では本州三重県以南、四国、九州、琉球列島に、国外では中国、台湾、東南アジアに分布しています。
雑食性ですが動物質の餌を好み、オスは昼夜を問わず鳴きます。
【大きさ】約30mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】平地から山地にかけての草たけの低い草原や畑地、裸地などに生息し、石の下や枯草の下、地面にあいた穴など
【しまくとぅば】カマジェー
マツムシ科
ハネに黄色と褐色のまだら模様が見られることから、この名前がついています。触覚が長く、体長の2、3倍はあります。
国内では、トカラ列島以南、国外では、台湾に分布しています。
「コオロギ」という名がついていますが、マツムシの仲間で、「ジッ、ジッ、ジッ、、、、」もしくは「ツンツン」と小さな声で鳴きます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】メス33~35mm
オス28~35mm
【見られる時期】7~12月
【村内で見られる場所】親志のイタジイ林やまとまった広葉樹林、その周辺の林内や林道
【しまくとぅば】カマジェー
オンブバッタ科
頭がとがったタイプのバッタで、体色が緑色でショウリョウバッタに似ています。
日本全土、朝鮮半島、中国に分布しています。
オスがしばしばメスの背中に乗っているので、オンブバッタと呼ばれています。動きは緩慢で、飛ぶことはできず、あまりジャンプもしません。双子葉類を好み、サツマイモの葉を食べることがあります。
アカハネオンブバッタにも似ていますが、これは後翅がピンクなので、後翅の色で区別することができます。
【大きさ】メス約42mm
オス約25mm
【見られる時期】周年
【村内で見られる場所】草原、畑地、人家の庭先、林縁
【しまくとぅば】ミックヮーゼー
ヤアママユガ科
ハネを広げると15㎝にもなる大型のガです。オスはメスに比べて翅がほっそりしています。よくヨナグニサンに間違われますが、それよりはだいぶ小ぶりです。
日本全土に分布しており、国外でも中国などに広く分布しています。
幼虫は白く細かい突起がたくさんありますが、毒はありません。
【大きさ】62~72mm
【見られる時期】3~10月【村内で見られる場所】山地から集落周辺まで
【しまくとぅば】ヒーチャーサー(夜の灯りに集まるガ)
シャクガ科
沖縄の染物である紅型の名がついた沖縄県のみに生息する可憐なガです。メスにはこの模様はなく、桃色一色に縁が黄色になります。小さいガで、木や草の葉の裏を飛びまわっています。珍しいガですが、毎年梅雨明け頃に人里近くの決まった場所で発生するので、そこがわかっていれば容易に見つけられます。幼虫の生態はよくわかっていません。
【大きさ】約5mm
【見られる時期】梅雨明けごろ
【村内で見られる場所】集落近く
【しまくとぅば】
シロチョウ科
白地の翅に、先端がだいだい色の模様のチョウです。メスはオスよりややくすんだ色になります。
国内においては、九州南端から琉球列島まで、国外においては、東南アジアや中国大陸南東部に分布している南方系のチョウです。
【大きさ】メス約50mmオス約45mm
【見られる時期】3~10月
【村内で見られる場所】村東部の森林地域や北部の海岸林の他石灰岩地のある御嶽林
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
シジミチョウ科
灰色っぽい小さなチョウで、国内では奄美以南、国外では台湾、中国大陸南西部、インドシナ半島、マレー半島、スマトラなどを経て、アッサム地方まで広い範囲に分布しています。
シジミチョウの仲間には、後翅の先端に「尾状突起」という尾のような細長い突起があります。この突起の付け根にはくっきりした目玉模様がついており、また花で吸汁しているときも、この突起をすり合わせるようなしぐさを行います。つまりシジミチョウは、本物の頭と反対側に「にせの頭部」を持っているわけです。鳥などの外敵に襲われた場合、「にせの頭部」をおとりにし、攻撃させることで、後翅は破れても致命傷を避け、反対方向に逃げ去ることができます。
【大きさ】約20mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】御嶽林のようなまとまった森林の林縁や農耕地のわき
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
マダラチョウ科
ハネの色は薄黄色味のある明るいだいだい色で、目立つ色彩を持つことで捕食者に危険を知らせる「警戒色」になっています。
国内では琉球列島では奄美諸島以南で生息し、国外ではアフリカ、ティモール島、東南アジア、オーストラリアなど広い範囲に生息しています。
本種は幼虫時代からガガイモ科の植物を食べ、これに含まれるアルカイド系の毒を蓄え、成虫になってもこの有毒物質を保持します。しかし、毒を持っていないのにこの「警戒色」を呈するチョウもいます。このように毒を持った種類に似せて擬態することを「ベイツ型擬態」といいます。
(写真提供:小浜継雄)
【大きさ】約38mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】屋敷周りや公園などの開けた場所
幼虫はトウワタやフウセントウワタにつく
【しまくとぅば】ハーベールー(チョウ全般)
トンボ科
オスは成熟すると胸部から腹部にかけて青白い粉を帯びてきます。メスは褐色です。
国内では屋久島以南の南西諸島、国外では台湾、フィリピン、インドを含む東南アジア一帯からセイシェル諸島オーストリアにかけて分布しています。平地から山地の開けた場所で見られます。ヤゴは小さな水溜まりや排水溝等人工的な環境でも常に水があれば生育します。
【大きさ】約31mm
【見られる時期】2月下旬~12月
【村内で見られる場所】サシジャーガー、農耕地の水路沿い
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
トンボ科
沖縄でもっともよくみられるトンボのひとつで体色は淡いオレンジですが、オスは大人になると腹の部分が赤くなります。
全世界の熱帯、亜熱帯に分布し、数万から数十万匹の大群で移動することがあり、夏に温帯地方に移動北上(南半球では南下)します。沖縄では3~12月に見られますが、台風の時期に空き地や草地、道路上で集まって飛んでいるのが目立つことから、沖縄の言葉で「カヂフチ(暴風)アーケージュー」と呼ばれます。
短い期間でヤゴから成虫になるので、一時的な水溜まりや、学校のプールなどでも発生します。
【大きさ】約46mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】空き地、草地、道路
【しまくとぅば】カジフチアーケージュー
トンボ科
左側に入力する内容
腹部が非常に細く、色は薄緑色に黒斑があります。日本では九州以南で見られ、国外では中国、台湾、東南アジア、アフリカ、オーストラリアにも分布しています。沖縄でもっともふつうに見られるトンボのひとつで、池や農道、草地、庭先など、いたるところにいます。
【大きさ】約50mm
【見られる時期】3~12月
【村内で見られる場所】池、農道、草地、庭先
【しまくとぅば】アーケージュー(トンボ全般)
尚巴志は、北山、中山、南山という3国に分かれて覇権を争っていた時代の中山の王で、三山統一を果たした琉球王府の王様です。読谷村の伊良皆という地域にお墓があるといわれています。